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Little Bravery Э  4.4

4.4


 ライについてのそれは扱い的にはいわゆるゴシップというものに近くて、かといってデマを聞かされても腹がたつだけだ。
 ゴシップは人の興味をそそるから、はたして新太たちはライのいわゆる「隠された過去」とやらが気になって仕方ない。
 神父が直球で問いかけてもスルー、新太が遠回しに話を振ったところで、あらぬ方向へ話が泳いでゆく。
 そうこうしているうちに二夜ほど歩き続けて三日目の夕方にたどり着いたのは、グラベルという温泉街だった。
「フーゾク街の次が温泉街、ねぇ……」
「そりゃそうだろ、人間食う・寝る・遊ぶが一番大事コレ必定」
「はぁ、さいですか」
 屈託無く言うライに新太は呆れ顔だ。
 遠くからかすかに匂ってはいたけれど、街に入るとさらにきつくなった硫黄の匂いが鼻を刺激するせいで、余計に気力が削がれる。
 宿をとって、狩った魔物を換金したら、やることがなくなった。腰が痛いと言い出した神父はシロを連れてさっさと宿屋に引きこもってしまったし、つまらない。
 新太はライの顔をちらりと見やる。
「……なんだよ、まだ昔話しろってか」
 別に何も言っていないのに、ライが新太につっかかってきた。なんだかんだ言っても、結局は気にしているようだった。
「いや、僕特に今はそんな気分じゃ……」
 とはいえ、そんなふうに突然キレられてしまうと逆に気になって仕方なくなって、そう思ってしまうとなんだか腹がたってくる。
「じゃあどうすればいいのさ?ライってばずーっとはぐらかしてばかりで……さすがにちょっとね、誰でもムカつくと思うよ、普通は」
「うんむ、人間何事にも信頼が大事だからなぁ、わかるわかる」
「いやそこで他人事みたいに納得されても」
「そうだなぁ、こうしよう」
 しびれを切らした新太の言葉をライが遮る。
「ジャンケンして勝ったら話してやる。今度はホントだぞ。信じる信じないは新太次第。ただし」
「ただし……何さ」
「おいらにジャンケンで一度負けるたびに、新太は罰として着てるもの一枚脱げ。嫌と言ってもオイラが剥く」
「……は?」


 チェックインをすませるなり心の洗濯じゃあリフレッシュじゃあだのとのたまいながら神父が浴衣を抱えて何処かに行ってしまったから、シロは部屋に入るなり一人きりになってしまった。
 携帯用の神像にお祈りをすませて窓の外の様子を眺めてみれば、何故か新太が上半身裸の姿になっていて、その側ではライが腹を抱えて笑っている。意味がわからない。
 意味がわからないといえば新太に対する自分の態度であって、感情の起伏が乏しいと自覚しているシロ自身、あのときのキスとやらに関しては未だもってなぜ「そうなった」かがわからないのだった。
 考えようとすると、頭が締めつけられるような痛みが走って、思考を止めざるをえない。
 記憶無いのも含めて魔法的な何かあるねこりゃあ、と以前様子を診てくれた神父は他人事のように言ったものだが、本人のことなのに実際に他人事だし、その態度は神父が何らかの対処ができるような事象ではないという事実も同時に示していた。
神父や宣教師たちの集いが何度かあって、そこで自分のことが話題にされてそれでも進展はなく。
 新太へのそれはもしかして何らかのサインなのかもしれないと想像はできる。それだけ新太の存在は異質だし、普段の日常生活で深く物事を考えるだけで頭痛になるわけではなく、何かしらの魔法的なものに関わるときそうなるからだ。
 ……となると、新太の近くにいればきっと何かが進展する。
 それだけは確かだ。キスについてはともかく。
 かといって、長い間自分を娘のように扱ってくれた神父を置いて彼らについていくというのもそれはそれで気が引ける。
「あぁ神よ、私はどうすれば」
 声に出さず、口の中でつぶやいた。
 改めて外を見下ろすと、新太が憤怒しながらズボンを脱いでパンツ一丁になっていた。ライはやっぱり笑っているばかりだ。
「……お風呂はそこじゃないのに」
 道でも教えてやればいいだろうか。彼女はそう考えて、浴衣とタオルを手に取る。
 ふと、頭上から感じる違和感に気づいて、顔を上げた。
 そこには何もない天井。の、はずだ。


 ライは、注がれる視線の先―――木々の向こうの、宿屋の屋根の上に顔を向けながら新太に告げた。
「はーい、残念ながら今回のイベントはこれにて終了としましょー、お疲れ様でしたあーちくしょ新太の控えめなふるちん超期待だったのに」
「えっ何それ今それ?」
 パンツ一丁の姿にまで我慢して脱いできたのだ。ここまで脱がしておいていきなり中断は無い、と言いかけて見たライの表情がとても真剣で、思わず新太も息をのむ。
 ライの視線の先に何がいるの、新太にはわからない。木の葉に隠れて見えないのだ。
 仕方ないので、落ち着いたらあとでライを同じぶんだけ脱がしてやろうと思うことにした。



(キリのいいところで区切りつけたい)
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