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Little Bravery Э  5.1

5.1


 何が起こっても諦めずに頑張るってやっぱり必要なことだよねそもそもこの世におおよそ不可能なんてものは無いのだから。無理という結論に至る原因は個人の能力環境やその人自身の個性・資質によるものが大きいとぼくは思っている。その壁さえ乗り越えてしまえばひとは何だってできるはずだし世界はそれを認めてくれる。だからぼくは今もこうやって毎日書物漁って実践して研究して探究して追究しているんだ。ひとの努力とその意識こころは神聖なものだと思うし裏切られない聖域。何人たりともそれを侵してはいけないしぼくはそれを侵すつもりもない。だからぼくの神聖なる探究への道は必ず果てへたどり着けるし誰にも邪魔できないしさせるもんか。

「あのー、聞こえてる?おーい」
 何度問いかけてもブツブツ言ってるだけで反応してくれない目の前の少年に、新太は大きくため息をついた。
 アルヴェールと名乗った、自分に顔も背丈も声もよく似たメガネの男の子。
 ボサボサの髪の毛が草原みたいなきれいな緑色で、これまで会ったひとの中でもとくに高いレベルで漫画みたいだし、耳がライとはまた違った毛羽立った犬とも猫ともつかない尖ったそれで、なんかこういう形のホウキみたいなやつあったよな、なんだっけあれに似てるだとかそういうことを思い出していた。
 今は机の上にどっさり積まれた書物を一心不乱に読み漁りつつ、たまに何かブツブツ独り言をつぶやいてはため息をついたりニヤけたりしていて、正直なところ不気味というか、あまりお近づきになりたくないタイプだなと苦笑い。
 その魔法の腕は確からしくて、どういった魔法をいつの間に使ったのかは新太にはわかるはずもなかったが、とにもかくにもホテルの屋上から自分の目の前に飛び降りてきたライは自分とアルヴェールを双子の緑髪のガルルワオンと見間違え、おいおい僕はここにいますよと呼びかけた声も聞きとってさえいない様子で、焦点の定まっていない瞳が不気味だったりして、まるでテレビでよく見る催眠術にかかった芸能人みたいだった。
 感心しているうちにアルヴェールに手を掴まれて乱暴に空を飛んだかと思えば、何十キロ離れているかもわからない、方角も不明の、小屋とも屋敷ともつかない、少なくとも現実世界にある自分の家よりは小さく、それでもみすぼらしくはない小綺麗な外観をした石造りの建物に丁重にぶち込まれた。
 なぜ僕掴んで空飛べるのと聞いてみたら、だって新太さんには魔法かけてないですし自分にはかけてましたけど、と。意外と腕力があるのかもしれない。何処かの良いところの学校の制服を思わせる、赤いワッペンのついた紺色のブレザーに多少短い気もしないでもないハーフパンツ姿をピシッと着込んでいて、とても力持ちといったふうには見えないけれど。どちらかというとインドアというか、外に出なさそうというか、そういう雰囲気の漂う少年。

「で、改めて質問なんですが」
 唐突にアルヴェールがこちらを向いて話しかけてきた。明らかに新太の問いかけは聞こえていない様子だった。
「こっちの世界の居心地はどうですか?毎日新鮮危険がいっぱい刺激がいっぱい、って感じで冒険心の満たされるファンタジー・ワールドになってますか?あっあと、えーっとアレだ、ご飯美味しいですか?飲み水は?魔物怖いですかそれとも楽しいですか?魔法使いたくないですか?」
 矢継ぎ早に質問を浴びせかけられては答えようもなく、新太はただどもるばかりだ。
「あ?いやーそのー、なんというか、まぁ……」
 どもる新太に興味しんしんの様子のアルヴェールが、座っていた椅子から飛び跳ねて駆け寄ってくる。
 ニコニコ顔の目をキラキラさせて、まるで子犬のようだ。子犬なら可愛かったのに、犬みたいな耳をした自分に顔の似たメガネがそんな顔をしているのだから、新太にしてみればあまり見たくない何かでしかない。
「あのー離れてくれないかな、ぶっちゃけ話しにくい」
 言ってみたら、アルヴェールはひょいと後ろに飛び退いて、新太が座っているソファの真向かいの椅子に正座した。
「で、どう?いろんな話聞きたいですぼく」
「いや、いろいろ聞きたいのはむしろこっちなんですけど」
「えっ、どうして?」
「えっ?」
「はい?」
「いや、だからなんで君が」
「何かおかしいですか?そうかなおかしいかなそんなでもないと思いますけど。ぼくなんか平凡すぎて話すことなんか何もないし。新太さんのほうがよっぽど不思議だし面白いですよ」
「いやいやいや、それは無い断じて無いありえないマジありえない平凡とか」
「えーそんなことないですよ謙遜ですよ新太さんそれそのものが特殊で不思議でミラクルですよーだってそうじゃないですか異世界からの来訪者さんですよ、これがときめかずして何にときめけと」
 会話がさっぱりかみ合わない。
 どうしよういままでにないタイプの人間だコレ。さっき感じたお近づきになりたくない感マジだコレ。新太は心の中でぼやきまくる。顔が引きつっているのが自分でわかった。
 なんとかその場をやり過ごして逃げ出してしまいたい。……と同時に、新太はアルヴェールの言葉にひっかかりを覚えてもいた。聞き捨てならない何かを言った。
 だから新太は問う。思いきる必要すらない。
「なんで、異世界から来たとか……知ってンの?」
「ああ~それですか?なんか来いっ、て思ったら来た、みたいな感じで。自分でもびっくりしましたよ、諦めないでいれば望みはきっと叶う、ってぼく確信してるんですがやっぱり正しいんだなー」
 鼻息も荒くアルヴェールは答えて、新太のアゴを叩き落とすのだった。



(一応「俺たちの戦いはこれからだ!」に繋がるラスト章のつもりです。
 なんでだろう、すげえ読みにくい文章になってる……)
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