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Little Bravery Э  2.4

2.4



「……名前……知りたい……」
 抑揚のない言葉遣いにわずかな恥じらいのようなものを新太は勝手に感じたから、できる反応なんてものは限られている。
「はっはひっぼぼぼ僕新太ダヨ。大門新太。大きな門に新しく太いって書くの。あ、新太が名前ね。新太って呼ぶがよいよいよよい」
「何その壊れた人形みたいな反応。ジュンジョーだなーピュアーだなー若いなぁー」
 ライがうるさい。
 呼応するように女の子があらた、あらた、あらた、と三度つぶやいて、何を納得したのかコクリと頷くと、起きあがれない新太の身体にいきなり抱きついた。
「はっ?!?!」
 えー何これどーゆーこと?などと口走ろうとする新太の口を、女の子の唇が塞ぐ。
 新太の頭の中に、電撃というか銃撃というか、そういった感じの衝撃的な効果音が脳天から駆け抜けて身体がしびれた。
 これは毒だけのせいじゃない。これがいわゆる、アレだ、ファーストキスだ。人生何が起こるかわからない。身体が自由に動いていれば、垂直飛びの自己記録を更新していたに違いないと新太は思った。もしくは腕立て伏せ。
「押し掛け女房かぁ、うらやましー」
 ライがちっともうらやましくなさそうな様子で言う。むしろ馬鹿にするような。
 また名前訊きそびれただとか、そんなことを考える余裕などまったく無い。


 やァ、さがしましたよ。
 ……と、そう言いながら例の神父が現れたのは、翌日の昼になってからだ。
 バスの周辺にいればきっと誰かが迎えに来るだろうというライの提案で、その場にキャンプと結界を張っていたのだ。
「いやァ~恥ンずかしながらね、あのバスに乗ってた連中で上手ァく魔法使えンのってあいつだけだったからよ、あいつもアレだ、「ココは私がなんとかするから逃げて」なァんてよ、あーんなキレェな顔しておッとこ前じゃねぇかァ、いやアイツ女だけどよー心意気っちゅーの?ジュンっ!とキタァね。男ながら。ティン!って言ったほうが良いのかしらん」
 言い方が方言じみていてよくわからないが、感謝はしているようだった。
 とはいえ、今まで見てきた彼女のぼんやりした様子からは、他人をかばって敵に立ち向かうどころか、勇ましくバトルを繰り広げる姿すら想像しがたい。新太が引っかかったのだって、設置型の罠だ。
 やればできる子、というやつだろうか。
 ライに意見を求めようとするも、自分の旅ノートへの書き込みに夢中で顔も上げてくれない。
 神父はいたわるように彼女の手をとり、神への感謝の言葉を述べている。女の子はじっと目を閉じそれを聞いていた。ついさっき新太に抱きついてキスなんかしたのなんて嘘ですよと言わんばかりに。
「あっそうだ訊きたかったんスけど~」
 ノートに向けて手を動かしたままのライが、ついでとばかりにおもむろに問いかける。
「彼女、お名前何てェの?……って新太が何度も訊こうとして失敗してンスよ。見ての通りジュンジョーでピュアーなドーテー少年ですから~。教えてあげてくれませんか」
「うっわ!うわ、うわ……」
 新太の顔がみるみるうちに真っ赤になって、ライがその様子を見てもいないのにケタケタ笑った。
 石でも投げつけてやりたかったが、視界に女の子の姿が入ってきて意気消沈。
「そのうち絶対仕返ししてやっからな覚えとけコンチクショウ」
「はいはい、ノートにメモっとくから忘れないぜ……といっても、新太なんぞに仕返しされるようなふがいない人間でも無いけどなオイラは。ガハハ」
「あああああムカつく~!!神父さん何とか言ってやってくださいよコイツ人の純情を弄んでからに、神の教えに反しません?ひどくないです?」
「神の教えはわりと大らかでなァ、愛さえあれば異性同性関係なし!……って書にあっただァよ」
 それってどういう意味ですかとは問えなかった。

 訊けば、彼女の呼称に対しては神父も実のところ困っていたらしくて、いろいろな呼び名を考えては没にしているようだった。
「サマンサとかアキナとかマリリンとかいろいろ案はあって実際呼んでみたんだけどよォ、ピクリともしねぇんだなコリャ。私嫌われてるのかねェと思ったら見ての通り、そうでもなさそうだし」
 言われて見た彼女はいつものようにぼんやりと遠くを見つめ、つかみどころのない顔をしている。そういえば腰のマッサージやってたっけと思った。
 と、そこまで聞いて、やっと気付いたこと。
「……っていうか、なんで名前無いんですか彼女」
「そりゃーおめェ、アレさね」
 言って神父は、額を人差し指で指しつつクルクル、パーとやって、
「多分トンでるよ、ありゃーね。なんか感じるし」
 ライの手が止まった。
 新太のいぶかしげな顔を見て、神父が続ける。
「ほらアレだ、呪いの類?と思うけどな?詳しい人なら匂いでわかるはずだでェ」
 そんな重要そうなことをあっさり一言で言っちゃうとか。
 メタなツッコミを入れる隙すら与えられず。




(制作期間開きすぎで記憶飛んだりしてるので文章矛盾してるかも!指摘あればどうぞ)
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