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Little Bravery Э  2.5

2.5



 呪いという単語から新太は、真っ白なハチマキを巻いてコメカミのあたりからロウソクを二本生やした、白装束の痩身女性だとか学生服の男子大学生を思い出して、あーそれってマンガ的だなと思って苦笑する。彼が今まで触れてきた感じ、白装束痩身女性も学生服男子大学生も存在していなさそうな世界だ。
 この世界における呪いというものが、神父の話を聞いたところで……というよりも、方言混じりの訛り口調では理解できるものも理解できないくらいの内容で、気絶から目覚め衝撃のファーストキスを体験したばかりの新太の瞼を再び重くするくらいには十分すぎるほどだった。
「えーっと簡単に言うとだね、ようは何らかの代償を支払うことにより、魔法よりも強力な―――それこそ、永久に持続するくらいの―――強い効果を対象に与えられるってわけだ。おわかり?」
 なるほど、代価必須の強化版魔法なのだろうと新太は認識する。ライの噛み砕いた説明がありがたい。
 神父が少し傷ついた様子だったので、いやいや神父さんの説明も超良かったッスよブラヴォーでしたよとかフォローしたら喜ばれた。
 つまり、誰かの何かが代償として支払われ、どうにかなってしまったらしい記憶と感情が、今の彼女を作り出している。
 相変わらず現実味に欠けてるな、と新太は思う。やっぱり自分にだけは呪いも効かないんだろうなと、ちょっと安心もしたが。
 ライが続ける。
「で、そんな記憶と感情あたりが呪いで抑制されてる状態であるところと想定されます彼女様が何故にあんなスキャンダラスでハレンチな行動に走ったかと申し上げますと、これがさっぱり判らないのでありまして?」
 ライが神父に視線で問いかけて、肩をすくめ顔を横に振る神父。
 話が進まなくなってしまった。
 無論新太が答えられるようなものでもない。
「なので、わたくしライ・リオルフは、彼女が新太に熱いベーゼをくれてやったことが個人的に非常に悔しいのであるため、新太に彼女の名付け親になっていただきたい所存であります」
「は?その話からなんでそうなるの」
 思い切りずっこけた新太の横で、神父がそりゃえぇ名案マーベラスだべぇと頷いている。
「そりゃおまえ、その……」
 ライの言葉が止まった、と思ったら続けた。ただし、新太から顔をそらして。
「あー、神父さんオイラたちこれからサーズベルグ行くんですけどなんかこう春っぽい感じの店無いですか、長旅ですっかりアレがアレでアレなので」
「……神に仕える者に、そういうコト訊くのは感心せんわァ……新太君じゃ駄目なんか」
「春を感じないので却下。抵触しそうだし」
「……???」
 さらりと言ってのけるライに、新太と神父がそれぞれ別の意味で首をかしげた。
 後に発言の意味を知って仰天することになるのだが、それは別の話。
「はいはい、とにかく名前決めないとイロイロやりにくいから新太、とっとと決めてくんない?」
「いやだから何で僕が」
「夫として当然の行為」
 はぁ!?と声をあげたら何故か本気で睨まれたので、しぶしぶ新太は同意してみせる。
 とはいえ、やはり突然そんなことを言われても、困るものは困るのだ。
 ペットの犬の名前だって母親が昔の小説の主人公の名前をつけていたし、いつかの夏休みにいつのまにか増えていた二匹のカブトムシには、三つ年下の弟がいつの間にかマンガの主人公の名前をつけていた過去を思い出す。自主性に欠けるんだよねと他人事を装って笑ってみせたが、むなしいだけだ。
 さてどうする。悩む。
 家族に倣ってアニメの主人公の名前でも、というのは癪だからやりたくない。
 彼女と目が合う。
 相変わらずうつろな表情で、遠くを見ているような深い青の瞳。
 真っ白で綺麗な髪、透き通るような白い肌。
 ……で、頭の中も真っ白で。
 白。しろ。シロ。
「何だそりゃ?犬みたいな名前だな」
「え」
 自分でも意識しないうちに口にしていたのか、顔をあげると、ライが呆れたような素振りを見せていた。
 神父も同じく、そりゃないわとでも言いたげな顔だ。
 むしろ自分がそういう顔をしたいのに、
「なぁ~どう思う?ネーミングセンス無いったらありゃしねぇよなぁ~」
 などと勝手に話を進められてしまうものだから、意見すら口にさせてもらえない。
 と、ライに問われた女の子の顔を見てみれば、首を横に振っているではないか。
「そんなこと……ない、と……思う」
「だよなあああああホント最悪……って、えええええ?!」
 ライが目を白黒させて、ばつが悪そうに息を吐いた。
「ほんッとォ~~~に、その名前でええんかいな?……シロって名前で?」
 神父の問いかけへ、女の子は首を力強く縦に振った。
 こうなってしまうと、後戻りなんかできるはずもなく。
 かくして、あまりにも唐突に、女の子の名前が決まってしまったのだった。
 シロ。
 見た目どおりの名前だ。
 シロはなぜか三人にそれぞれ、一人ずつぎゅっと握手をかわすと、
「名前……うれしい」
 喜んで良いのかどうかわからない、微妙な感謝の言葉を述べた。
 穴があったら入るか、ライを埋めるかしたいと新太はこっそりぼやいて、どっちもできないから、地団駄を踏むくらいしかできなかった。



(間延びしすぎたので〆)
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